アドボカシー飯塚
誰一人の命も奪われない。すべての人の命と生きる権利を守るため、意見を聞き、意見表明を支援します。
〇新着情報
・島崎藤村の小説の映画「破戒」無料上映会を5月26日(日)15:00~と18:00の2回、ゆめタウン飯塚の2階のゆめホールで、ペットボトルドリンク付、予約なしで先着順各部60名定員で行います。FAXでお席を予約できます。お名前と連絡先、希望時間と席(前席から1~60番)を記入してFAXして下さい。
問合せ電話・FAX 0948-23-2266 担当安永・藤中 主催 破戒上映実行委員会
・2023年12月1日(金)二瀬交流センターにおいて、虐待死を出さないため第2回アドボカシー飯塚講演会行いました。講演は「地域で育む子どもたちの未来」〜声なき声に耳を傾けるというタイトルで、講師に飯塚病院 小児科診療部長であり、飯塚市要保護児童対策地域協議会会長でもある田中祥一朗さんから、子どもの虐待の現状や課題、とりわけ医療現場での体験をもとにしたお話など、脳の発育 が1才からはじまること、住環境などの貧困問題や発達しょうがいなどが大きな影響を与えていることなどがありました。当日はグループ討議もして頂き活発意見も出され、多くの方の学びにつながりました。
・こども家庭庁がまとめた2022年度の児童相談所における虐待相談対応件数が速報値 で、全国232か所の児童相談所が件数は 219,170 件に上り、過去最多となりました。 ※ 対前年度比+5.5%(11,510件の増加)【主な傾向】 ・心理的虐待に係る相談対応件数の増加(令和3年度:124,724件→令和4年度:129,484件(+4,760件)) ・警察等からの通告の増加(令和3年度:103,104件→令和4年度:112,965(+9,861件) ) 〈令和3年度と比して児童虐待相談対応件数が増加した自治体への聞き取り〉 ・関係機関の児童虐待防止に対する意識や感度が高まり、関係機関からの通告が増えている。
・心理的虐待の割合が最も多く(59.1%) 、次いで身体的虐待の割合が多い(23.6%) 。
・ 児童相談所に寄せられた虐待相談の相談経路は、警察等が最も多く (51.5%) 、次いで近隣・知人 (11.0%) 、家族・親戚 (8.4%) 、学校 (6.8%) からが多い。
・福岡県 でも虐待相談対応件数 が6,184から 6,760 とが増加し、576件で 9%増えています。
・子どもの虐待を防ぐためのアドボカシー活動をはじめました。2023年2月10日(金)18:30より飯塚市頴田交流センター別館で講演会を開催しました。小雨の中でしたが、198名の参加のもと講師に弁護士の安孫子健輔さん(子どもアドボカシーセンター福岡理事長)から、アドボカシーとは何か、子どもの権利を守ることの意味を学びました。アンケートでは
「新たな視点から子どもの権利や児童虐待の問題を考えることができました」
「アドボカシーという言葉を今回初めて知りました。子どもの最善の利益を守ることと、子どもの思い(意見表明)の両方を同時にかなえるのは、不可能に近いこと、でもその難しさの中で、アドボケイトは、ひたすらに子どもの思いを拾いあげ続ける存在として、とても子どもにとって大切な存在だと思いました。私も自分の現場や家庭を振り返ると見直したいこともたくさんあり、とても勉強になりました。貴重なお話をありがとうございました」
「自分の意見を伝えることは大人でも難しさを感じます。子どもの意見を聞いて、考えを整理する手伝いをすること、意見を言うことができる子が増えることは素晴らしいと思います。」など多くの学びがあったことが記されています。アドボカシー飯塚として、今後も多くの皆さんに、アドボカシー活動の大切さ、子どもの最善の利益をどう実現するのか、取り組みを進めて参りたいと思います。
設立趣旨
2021年2月福岡県飯塚市に居住していた父親が子ども3人を殺害する事件が発生しました。この報道に私たちは大きな衝撃を受けました。身近な地域でこんなに悲しい事件が起きるとは思ってもみませんでした。しかしながら、これまで全国各地でこのような虐待やいじめ、自殺などが頻発している現実があり、飯塚市では「全ての子どもは、愛され、安全で安心な環境で育てられる権利があります。」と2019年「飯塚市の子どもをみんなで守る条例」を制定し、関係機関等が様々な取り組みや対応を行っていましたが、事件を防ぐことができませんでした。また、飯塚市は「飯塚市3児童死亡事例検証報告書」を2022年1月25日に公開しました。
「各行政機関の関わりは情報共有、リスクマネジメント、状況変化への対応 能力などいずれも十分だったとは言えない状況が見受けられた。その原因として考えらえるのは、責任の所在の不明確性、アセスメント能力・事案対応能力の限界、専門的知識の不足などがあげられる。特に、子育て行政における人的資源の不足は深刻といわざるを得ず、少ない人的資源の中で多くの相談等の行政 サービス業務を、一定程度のクオリティーを保って提供することは極めて困難といえる。そこで、医療、福祉、心理、司法等の専門職者のアドバイスを受けながら、子育て行政サービスを提供できるようにすることは急務であるといえる。また飯塚市には、問題意識を持った市民や団体なども多く存在しているにも関わらず、行政に地域との連携する意識が薄いという課題も浮かび上がった。
アドボカシー(advocacy)とは「擁護」や「支持をする」などの意味を持つ英語です。人権問題や環境問題などで社会的弱者の権利擁護や、主張を代弁することなどです。高齢者、しょうがい者に代わって、代理人が意思や権利を伝えるといった意味でも使われています。子どもたちや社会的弱者に寄り添い、様々な社会的課題に一人でも多くの市民が取り組むことが必要です。子どもの権利の重要な柱である「意見表明権」の保障をどのように実現するかは日本社会の課題とも言えます。国は都道府県の社会的養育推進計画に、「当事者である子どもの権利擁護の取組み(意見聴取・アドボカシー)」を盛り込むよう求め、これを受けて各地で自治体やNPOによる子どもアドボカシーの仕組みづくりが始まっています。
私たちは、この飯塚の地で、子どもやすべての社会的弱者の意見表明を支援するアドボカシー活動を進めます。アドボカシー活動への理解を広げ、アドボケイト(意見表明を支援する人)の育成を行いながら「あらゆる子どもや弱者を対象にしたアドボカシーの実現」を目指していきます。また、子ども自身も自ら意見を表明できるように学び、活動する主体としてセルフアドボケイトを目指し、「子どもアドボケイト」の育成を進めます。
活動内容
- アドボカシー活動へのご理解広げるため、普及・宣伝のためチラシやホームページで告知し講演活動などを実施します。
- アドボケイトを積極的に育成します。アドボケイトは市民対象の「市民アドボケイト」、子ども自身が意見表明できる「子どもアドボケイト」の育成事業を行います。
- アドボカシー活動進めるためには、すべての人権尊重の市民意識の高揚に向け、様々な取り組みに積極的に参画します。